漢拏山の麓で育った私たちは、複雑多難な日本に居住しながらでも常に懐かしい故郷を忘れることなく、憧憬してきた。

今般、設立する事となった済州開発協会は、在日済州道民が郷土開発の一翼を担うものとし、道民の文化生活の向上に貢献しようという愛郷心から出発したものである。

郷土の楽園化はただ郷土出身者の切実な要望であり自然な欲求である。私たちが無限に愛し、懐かしんでいる故郷済州道の現状を見れば、農耕漁撈など一般生活様式は古代的な形態がそのまま残っており、時代の潮流と歩調を合せられず、現代的な開発がないところからまだ後進性を脱皮できずにいることは、本当に情けないことであるといえないでもない。

世界は宇宙に入り、今日私達はこの様な非文化的生活条件下において、さまよっている道民の現状を到底傍観することはできない。

ここに私達は先祖の崇高な開拓精神を受け入れ創意性を発揮し、郷土開発に先駆的な役割を担うのが私達の義務であると考えると同時に、多年間海外で苦労してきた甲斐をここでさがさなければならないのである。
済州道に無尽蔵な水陸資源に対する近代的な開発事業と交通、教育、文化施設等の建設をこれ以上遅延させないことを急務とする。

しかしこの巨大な事業が短期間、あるいは個人の力で達成するのは難しいことであると熟知している私達は、まず在日済州道出身者を網羅した組織体を結成し、相互間の親睦を図りながら郷土開発の為の事業を促進する基盤を磨いておくのである。

私達の誇りである団結心と愛郷心、そして勤倹性と相互協助する美風の伝統をより発揮し、この聖業を達成するよう在日済州道民諸賢の積極的な協力を得ることを要望する。

在日本関東済州道民協会
(在日本済州開発協会)